名作コミック「あしたのジョー」が実写映画化され、主人公矢吹丈(ジョー)役がNEWS山下智久(24)に決定したことが7日、発表された。

 原作を高森朝雄(梶原一騎)氏、画をちばてつや氏が手掛けた「あしたのジョー」はボクシングをテーマにした作品で、68年から73年まで週刊少年マガジンで連載された。売り上げは累計2000万部。連続アニメや劇場版アニメ化されたほか、実写版も70年に1度製作された。企画したTBS伊与田英徳プロデューサーは山下の起用理由を「彼じゃなければ成立しなかった。目の強さに尽きると思うが、芯の強さやチャーミングな部分など、山下くんしかいない」と説明した。

 物語はジョーの最大のライバル、力石との対戦を中心に描かれる。舞台となる東京・山谷を、都内近郊に5000平方メートルの巨大セットを建設し再現。監督は映画「ピンポン」などで知られる曽利文彦氏。伊与田氏は「CGなど新しい手法を取り入れるが、山下くんにはCGに頼ることなく肉体をしっかり鍛えてもらう。殴り合っていると思います」。山下のリング上での戦いが1つの見どころにもなる。

 以前からボクシングに興味を持ち、起用決定前から時々ジムに通っていた山下は「とても大きな作品を自分が演じられることをとてもうれしく思います!

 偉大な作品を傷つけないよう今の自分にできることをすべて一生懸命やります!!」と話した。

 ジョーをボクサーに育てる丹下段平役は香川照之(44)。以前ボクシング専門誌で連載を持つなど、ボクシング通でも知られる香川は「私生活でボクシングを30年間見守り続けてきたのは、この役のためではなかったかとさえ思う」と意気込んだ。NHK大河ドラマ「龍馬伝」での岩崎弥太郎役の熱演が話題だが、段平役でも話題を集めそうだ。ライバルの力石徹役や白木財閥令嬢の白木葉子役は未定。公開は11年新春~春の予定。