日米で社会現象になるほど大ヒットしたディズニーのアニメ「アナと雪の女王」に盗作疑惑が浮上しています。イザベラ・タニクミさんというペルー人女性が、「アナと雪の女王」は自分が執筆した自伝の盗作だとして、ウォルト・ディズニー社に損害賠償を求めていることが明らかになりました。その金額、なんと2億5000万ドル、日本円にして270億円。いったいどういうことなのでしょう?

 タニクミさんは、2010年に発行した自身の著書「Yearnings of the Heart(イヤーニングス・オブ・ザ・ハート)」の内容が、「アナと雪の女王」のストーリーに酷似していると主張。「最近、『アナと雪の女王』のDVDを購入して娘と一緒に観て自分の著書にそっくりで愕然とした」と語っています。訴状によると、姉妹が災難に遭い、孤立や寂しさ、恋愛などを体験する物語や裏切りのエピソードなど18カ所に渡る盗用があるとしています。また、物語に出てくる災難は、自分と家族が体験した1970年のペルー地震を基にした体験談であると主張。関連グッズの販売や配給を止めるよう求めています。

 訴状には、「私たち姉妹も馬を飼っていた」「私たちもお互いが大好きだった」「私たちも雪が積もる山のふもとに暮らしていた」など、こじつけ? 売名行為? と思われるような内容も含まれています。ディズニー側はアルゼンチン童話「雪の女王」をモチーフにしていると主張し、「あまりにばかげた話」とコメント。昨年公開された同作は、10億ドルの興行収入を記録する大ヒット作となり、ブロードウェーのミュージカルも計画されています。また、フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールドに「アナと雪の女王」をモチーフにしたアトラクションが登場することが決まっており、来年には続編となる短編「フローズン・フィーバー」が公開予定で、まだまだアナ雪熱は冷めやらぬ雰囲気の中での訴訟。「クライマックスでアナが事故死するのも盗用で、姉が生き返らなかった点だけが違う」と語るタニクミさんは、裁判で真実を明らかにすると意気込んでいるようです。果たしてどんな結果になるのでしょうか。

(このコラムの更新は毎週火曜日です)