細菌性肺炎などのため入院していた落語家桂歌丸(80)が13日に退院しました。5月いっぱいは療養し、復帰は6月3日の予定です。1カ月あまり入院していたためか、体調は良好で、1カ月半ぶりとなる高座にも意欲的のようです。

 そんな歌丸師匠ですが、週刊誌や夕刊紙などでは、現在つとめている落語芸術協会の会長の座をめぐって、さまざまな報道がされています。歌丸師匠は04年、当時の会長だった10代目桂文治が亡くなったため、後任として会長に就任。以来、14年にわたり、会長の要職についています。一方、落語協会は14年に柳家小三治から柳亭市馬に会長が交代し、現在は55歳の市馬会長、54歳の林家正蔵副会長と若返っています。

 6月は落語芸術協会の役員の改選時期にあたることもあって、歌丸師匠が勇退し、副会長である三遊亭小遊三(70)に「会長を譲りたい」と話しているものの、昨年、心臓の手術をした小遊三が健康面の不安から固辞しているとか、若返りを図るために理事でもある春風亭昇太(57)が抜てきしよとしているが、昇太は人気番組「笑点」の司会や俳優業などで多忙のため、拒否しているなどの憶測記事がまことしやかに報道されています。

 実際は、役員改選に向けた、具体的な動きはまだないようです。理事会で新しい理事を選任し、その後に開催される総会で承認を得た上で、新理事たちの互選で会長、そして副会長などが決まるという流れになっています。会長の任期は2年で、歌丸師匠が会長続投を希望すれば、19年6月まで会長を続けることになるでしょう。

 まさに歌丸師匠の胸先三寸次第ということです。昨年、06年からつとめていた「笑点」の司会を「体力の限界」を理由に勇退しました。その時も、誰よりも番組を大切にし、愛するがゆえの結論だったようです。今回はどういう結論を出すのでしょうか。注目したいと思います。【林尚之】