◆25 NIJYU-GO(日)

 メチャクチャ…この一言に尽きる。悪い意味ではない。東映Vシネマ(ビデオ専用映画)25周年記念映画にふさわしく「Vシネの帝王」哀川翔、“顔面凶器”の異名を持つ小沢仁志ら、東映Vシネを支えてきた大の大人が集まって102分、拳銃をドンパチ撃ち合い、殴り合い、スクリーンを所狭しと大暴れする、迫力あり笑いありの痛快作だ。

 西池袋署の桜井(哀川)日影(寺島進)は悪徳刑事コンビとして知られ、半グレ集団から金を巻き上げ、押収した250万円も、どこへやら…とやりたい放題。その回収を命じられた2人が着目したのは、年金基金60億円を使い込み、逃走する九十九(温水洋一)の持つ残金25億円。クラブママ恭子(高岡早紀)暴力団組長田神(小沢仁志)中国系マフィアのウォン(竹中直人)半グレ集団のトップ真田(井上正大)らを交えた悪党25人が、ノンストップで25億円を奪い合う。

 ストーリーは冒頭から破綻気味で、真面目に見たら「?」と首をかしげたくなる突っ込みどころが満載だが、「何でもあり」がVシネの伝統。物語や設定の整合性なんて余計なことは考えずに、メチャクチャな展開に食らいついていくことが出来れば、最高に楽しめることは間違いない。【村上幸将】

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