8年ぶりに広島カープに復帰した黒田博樹投手(40)の本拠地登場曲をB’zが手掛けることが24日、分かった。タイトルは「RED」で書き下ろし曲。メジャー移籍ではなく古巣に帰ってきた黒田の生きざまも表現されているという。復帰初登板が有力とされる29日の開幕第3戦でお披露目されることになりそうだ。

 CDシングルとアルバムの売り上げが、国内トップとなる累計8000万枚を超すB’zが日本復帰で注目される黒田を援護する。今年2月にロサンゼルスで、黒田とB’zのギタリスト松本孝弘(53)が知人を介して会食した。黒田は自主トレ中、松本はレコーディングで現地を訪れていた。初対面ながらも意気投合し、翌々日に黒田からのリクエストもあって曲の制作が決まった。これまでスポーツ番組などのテーマ曲を手掛けたことはあったが、個人のテーマ曲を書き下ろすのは初めて。松本は「このオファーはミュージシャンとして興味深く、良い楽曲が出来そうな予感はありました」と話す。作詞はボーカルの稲葉浩志(50)が手掛け、松本が作曲した。

 登場曲は歓声を浴びながらマウンドに上がる時に流れる。球場内の盛り上がりには今や欠かせない要素となっており、選手の士気も高めていく。今回作られた「RED」は、米国帰りのサムライを連想させるカントリーミュージック調のイントロから始まり、徐々にテンポが上がっていくロック曲。稲葉が「どんな試合でも粘り強く寡黙に投げるという、男なら誰でもしびれるような黒田投手のイメージがありますが、他人には見せないであろう葛藤なども想像しながら言葉を選びました」というように、その生きざまも表現されているという。「Wow Wow」と雄たけびを上げるところもあり、松本は「球場が一体となり、ファンの皆さまの大合唱で盛り上げていただければ」と話している。

 松本が11年に米グラミー賞を受賞するなどB’zは世界的にも活躍している。黒田は「世界でも活躍されているアーティストに曲を作っていただいて感謝の気持ちでいっぱい」。曲についても「歌詞も本当に格好よくて気に入りました。タイトルもカープのチームカラーで一番先にカープを連想する。いいピッチングをして少しでも恩返しができたらと思います」。

 「RED」は広島主催試合の黒田登板時や打席時に流れる。CD化は未定。

<主な投手の登場曲>

 ◆ヤンキース田中将大 楽天時代はファンキー・モンキー・ベイビーズ「あとひとつ」だったが、昨年は、ももいろクローバーZ「My Dear Fellow」に変わった。

 ◆ソフトバンク松坂大輔 メジャー時代は「real world」などEXILE。今年はEXILEの派生ユニットTHE SECOND from EXILE「ROCK STAR」。

 ◆日本ハム大谷翔平 投手としてパフューム「Party Maker」を使い、打者としてCLUTCHO(クラッチョ)「Time Capsule」。

 ◆西武菊池雄星 13年から矢沢永吉「止まらないHa~Ha」。

 ◆阪神藤浪晋太郎 プロ1年目の13年からミスター・チルドレン「PADDLE」。

 ◆広島前田健太 昨年から広島出身のシンガー・ソングライター石井杏奈の前田応援歌「You’re my Hero」。