10年に死去した劇作家つかこうへいさん(享年62)の1人娘で、元宝塚雪組トップ娘役の女優愛原実花(29)が、父親の作品に初出演することが22日、分かった。つかさんの代表作「熱海殺人事件」で警察官ハナ子を演じる。同作品は73年初演以来、何度も再演されている人気作だ。

 愛原は、11年夏に同作品の韓国公演を観劇した。作品が放つエネルギーを受け止めた観客の熱い反応を肌で感じ、心を動かされた。すぐに制作関係者に出演を直訴したという。

 華やかな宝塚の舞台とは一味違う作品だが、「子供のころから別世界だと思って見ていた世界に踏み込む不安はあるが、人生にとって大きな意味を持つことになる」とターニングポイントになる予感もしている。

 主人公の部長刑事、伝兵衛は風間杜夫(65)が演じる。共演する平田満(61)とともに「熱海殺人事件」出演は33年ぶりとなる。風間は「最愛のお嬢さん、愛原さんと、あの『熱海殺人事件』で一緒に舞台に上がれるとは。また、つかさんに会えるような」と話している。

 12月9日から東京・紀伊国屋ホールで上演される。