吉高由里子(26)が、約1年ぶりに女優活動を再開させることが14日、分かった。10月に上演される北村一輝(45)主演の舞台「大逆走」に出演し、舞台に初挑戦する。昨年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」以来の女優復帰となる。

 吉高の出演が決まった舞台「大逆走」は10月9日から25日まで、東京・シアターコクーンで上演される。劇作家の赤堀雅秋氏(43)の作・演出で、北村演じる主人公のダメ男の前に現れるOLを演じる。ドロップアウトした3人の男が、道端に倒れていた不思議なOLと出会ったことで、ヤクザに追われることになる物語。一夜をかけた大逆走を試みる珍道中が描かれる。吉高演じるOLは男たちの日常を一変させるダークヒロインで、物語のキーパーソンとなる。

 舞台出演経験のない吉高は出演依頼を受けると、赤堀氏と面談した。「とても真摯(しんし)で誠実で、温かいけれど、鋭い思考の方だなという印象を受けました。たった2時間で、私の舞台への先入観を粉砕してくださった」として快諾した。また「結果はどうなるか分かりませんが、赤堀さんに出会ってしまったからには、悔いの残らないよう尽力して取り組み、すてきな作品として残すことができたら」と決意を固めている。

 吉高は昨年4月から9月まで放送された「花子とアン」に主演し、ドラマは平均22・6%の高視聴率を記録。国民的な人気を獲得した。同年の大みそかにNHK紅白歌合戦の紅組司会を務めたが、「花子とアン」以降はCM撮影などは行ったが、本格的な女優活動は控えてきた。リフレッシュして臨む復帰作に、初挑戦となる「舞台」を選んだ。

 共演も北村を筆頭に、大倉孝二、池田成志、秋山菜津子、浜田マリら個性的な演技派が並ぶ。吉高は「普通じゃないオーラを持った役者さんたちがおそろいで、一緒の舞台に立つというのは、大変恐れ多い気持ちでございます。なんだかドキドキします」と話す。

 舞台という新境地に挑むが「『見ているこっちが緊張するぞ』という声が聞こえてきそうですが、こんな私をどうか、優しいまなざしで視界に転がしていただけたらうれしく思います」と話している。

 ◆吉高由里子(よしたか・ゆりこ)1988年(昭63)7月22日、東京都生まれ。06年映画「紀子の食卓」で女優デビュー。08年主演映画「蛇にピアス」で日本アカデミー賞新人俳優賞やブルーリボン賞新人賞。ドラマは09年フジテレビ系「東京 DOGS」でヒロイン、10年日本テレビ系「美丘-君がいた日々-」で地上波連続ドラマ初主演。他にフジテレビ系「ガリレオ」などに出演。映画は「僕等がいた」「横道世之介」「真夏の方程式」など。158センチ。血液型O。