4年前、なでしこジャパンの世界一に一役買った歌手カノン(35)が、サッカー女子W杯カナダ大会決勝トーナメント1回戦(日本時間24日)へ向けて興奮を抑えられないでいる。「全勝での1次リーグ突破、おめでとうございます。毎試合、ドキドキ、ハラハラで見ていました」。

 なでしこの佐々木則夫監督が、11年W杯ドイツ大会決勝前夜、カノン作詞・作曲・歌唱の「明日への鼓動」を選手に聴かせたことで話題になった。北京五輪競泳・陸上代表決定戦を中継したNHKのテーマソングに選ばれた楽曲だ。

 ♪幾千の奇跡たちが 待ち受けるこの世界で あなただけに与えられた物語が始まる

 自分と戦い 昨日に勝つこと 明日へ誓うよ

 「五輪に向けた選手の思いを表現した曲ですが、4年に1度の大舞台に臨むのはW杯も同じ。連覇は期待しますが、勝ち負けではなく、そこにたどり着くまでの頑張りを思い、その瞬間を大切にしてほしいです」

 佐々木監督はW杯優勝後も、同曲をBGMになでしこの感動シーンを集めたDVDを制作し、講演会などで使用しているという。カノンのライブにも何度も足を運んでおり、今回もここぞのタイミングで「明日への鼓動」の投入があり得る。カノンは「そうなれば光栄です」と話している。

 ◆カノン 1980年(昭55)3月9日、東京生まれ。オーストラリアのクイーンズランド州立音楽大学声楽科卒業後、メジャーデビュー。クラシックとポップスをミックスした「クラシカルクラスオーバー」のパイオニアとして6枚のアルバムをリリース。オリジナルの賛美歌を収録したCDが、宮崎の伊東満所顕彰会を通じ、今月中にローマ法王に献上される予定。