俳優堺雅人(41)主演で来年放送されるNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜午後8時)の出演者発表会見が10日、東京・渋谷区の同局で行われ、新たな出演者21人が発表された。同作は、視聴率が期待できる戦国時代の設定で、ヒロイン役に長沢まさみ(28)を起用。今年の「花燃ゆ」が視聴率で低迷する中、堺は「まずは見て、批評を」とアピールした。

 登壇した堺は取材陣を前に笑顔であいさつした。「ワクワクしています。信繁と同様、自分のペースをつくることなく翻弄(ほんろう)されながらの1年になると思います。それを楽しみたいです」。

 だが、大河の現況は、笑っていられない。「花燃ゆ」は、視聴率1桁台(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を3度記録し、5月以降は12%に届いたことがない。対して同時間帯の日本テレビ系「世界の果てまでイッテQ!」は20%超を記録することもある。国民的な「大河離れ」も否定できない中、堺は言った。

 「いろんな大河があり、いろんな意見がある。ドラマでしか描かれない、そこにいる人の息吹が歴史物の面白さ。面白いと思う人と思わない人がいて、批判をいただいて励みにしたいです。まずは見ていただき、楽しんでいただき、それからご批判、批評をいただければ励みになる。厳しく楽しく見ていただければ」

 発表された共演者21人のうち、目玉は長沢だ。堺が演じる信繁の幼なじみで、後に側室となるきり役での起用。06年「功名が辻」、09年「天地人」に出演しているが、初のヒロイン役で、屋敷陽太郎チーフプロデューサー(CP)は「長沢さんはみんなが好きな人。昔は男性ファンが多く、今は女性が憧れる。男性が恋をする相手女性を演じたら素晴らしいが、今度は男性を慕う演技を見てみたい」と期待している。主演した13年TBS系「半沢直樹」で、最終回視聴率42・2%の堺と、長沢の組み合わせは、NHKの強い意気込みを感じさせる。

 逆境をはねのけるもう1つの期待材料は、時代設定が歴代大河でも視聴率の高い戦国時代であること。屋敷CPは「全世代、全性別、全地域の人に見てほしい」と力を込めた。

 ◆「真田丸」 徳川家康をも恐れさせた武将の真田信繁(幸村)が、知略と武勇を武器に、乱世を生き抜く姿を描く物語。「真田丸」は、大坂の陣で信繁が築いたとりでの名前で、真田家を一艘(そう)の船にたとえてタイトルになった。両親、兄と姉ら真田家の家族愛も描かれる。子役は使わず、青年期から最期を迎えるまでを描く。