来年3月から活動休止することを発表した、イギリスの人気グループ「ワン・ダイレクション(1D)」。活動休止を決めた理由は何だろうか。また、メンバーの今後はどうなっていくのであろうか。

 「ワン・ダイレクション」は、2010年7月に英オーディション番組「Xファクター」で結成され、世界一のボーイバンドと言われるようになった。しかし、今年3月にゼイン・マリクが突然脱退し、4人で再出発することに。そして今回、グループの活動休止、来年3月から1年間それぞれがソロ活動に専念することが発表された。

 なぜ彼らは別々に活動していくことになったのだろうか?その理由の1つとして、同グループのメディアイメージは、メンバーの意思に反していたことがあげられる。彼らが結成された当時、リアーナ、レディ・ガガ、ケイティー・ペリーを筆頭に、女性アーティストの活躍が目立っていた。ボーイズバンド不足だった当初、彗星(すいせい)のごとく現れた「ワン・ダイレクション」は、世界中でセンセーションを巻き起こした。ファンのほとんどはティーンエージャーの女の子ということもあり、彼らは歌手というよりもアイドルとして扱われるように。その結果として、メンバーの意思にそぐわないポップダンス、髪形、衣装などを取り入れなければならないこともあったとか。彼らにとってそれが不満になることもあり、脱退したメンバーのゼインは「これ以上活動できないよ。だって、(活動しているときの自分は)本当の僕じゃないから」と語っていた。

 また、グループとして活動していくうえで、メディアからの注目に耐えられなくなったことも原因と考えられる。メンバー同士の仲が良すぎたため、活動当初ゲイのうわさが流れたこともあった一方で、女性と一緒にいるとすぐに熱愛の報道が流れるなど、常にゴシップの話題にされた。彼ら自身もここまでヒットするとは予測していなかったようで、有名になることに抵抗を感じることもあったようだ。

 しかし、過去のボーイズバンドの活動の流れを見ると、メンバーの脱退やソロ活動を行っていくことは自然な流れとも言えそう。90年代にヒットしたボーイズグループ「バックストリート・ボーイズ」も、メンバーのケヴィンが脱退・復帰している。また、多数のヒット曲を世に送り続けた「ローリング・ストーンズ」も、メンバーが脱退することはあったが、半世紀以上にかけて活動を続けている。「ビートルズ」のようにメンバーが不仲になった場合解散することもあるが、「ワン・ダイレクション」の場合はメンバー同士の仲がいいため、その心配はなさそうである。

 メンバー全員が才能あふれるワン・ダイレクション。ひとまず、来年3月からの1年間は、それぞれが違う場所で活躍を見せてくれるだろう。【ハリウッドニュース編集部】