11年に巨人軍球団代表を解任されたジャーナリスト清武英利氏(64)が15日、都内でWOWOW「連続ドラマW しんがり~山一証券 最後の聖戦」(20日スタート、日曜午後10時、全6話)試写会の舞台あいさつに出席した。清武氏が読売新聞社会部記者時代の経験を生かして、97年11月の山一証券自主廃業の際に最後まで真相究明に動いた社員の戦いを描いた「しんがり 山一証券 最後の12人」を、江口洋介(47)の主演でドラマ化した。

 招待された300人近い元山一証券社員の人たちを前に、清武氏は「18年たちましたが、当時は社会部デスクをやっていまして、たくさんの山一の人に会いました。ドラマ化は光栄、原作者冥利(みょうり)に尽きます。ご覧になった皆さん、1人、1人が自分の中のものを投影できるドラマになっていると思います」。

 本社だけで7500人、グループ全体で1万人いた、山一証券の自主廃業は、当時の日本経済に大きな打撃を与えた。「山一は人間くさい会社だった。最後は106ページに及ぶ調査報告者が提出されたが、そこまでは期待していなかった。人間は極限状態になった時、誰かがやらなければならない。『志』とか『操』とかは古い言葉ですが、(ドラマに登場する)あの人たちがやらなかったら、この中の誰かがやったでしょう。山一の思想の高みを、このドラマで体現してほしい」と話した。