今年2月に宝塚歌劇団を退団した前宙組トップ凰稀(おうき)かなめ(33)が15日、京都市内で開幕した「京都国際映画祭」のプレミアムオープニング上映舞台あいさつに登壇し、退団後初めて、公の場に姿を見せた。

 「実はスカート。でも勇気がなくて」というワンピース風の羽織物を身にまとい、舞台に姿を見せた。

 作品は、太平洋戦争時のペリリュー島での激戦を描いたドキュメンタリー「追憶」(小栗謙一監督)。凰稀が宝塚時代、2度に渡り「ロバート・キャパ 魂の記憶」に主演し、戦場カメラマンを演じた縁から、あいさつへのゲスト登壇が決まった。

 事前に作品を見た凰稀は「戦争を記録するカメラマンって、どうなんだろう? とすごく考えた役でした。2番手時代にも、トップになってからも演じた作品ですし、思い入れがあって、やはり(宝塚時代を)思い出しましたね」。宝塚時代の思い出の役のひとつにもキャパを挙げていただけに、今回の「追憶」と、当時の気持ちが重なったようだ。

 一方で、退団8カ月になり、ワードロープに「スカートがめっちゃ増えました。買いました。(宝塚時代の男物は周囲に)あげました」と言い、男役から女優へ-転身の最中にある。

 「でも、無理に女になろうと思っても無理なので、自分のペースで。やっぱり、肩で風を切って歩いてしまう男役の習性はまだ抜けませんね」と笑った。

 凰稀は来春、退団後初の舞台となる東宝版「1789-バスティーユの恋人たち」への出演が決まっており、役代わりでマリー・アントワネットを演じる。

 今後については「お芝居が好きなので、舞台も、映像もできるように勉強中です。映画にも出てみたい」と話していた。