ジャニーズ事務所若手アイドル総出演の舞台「ジャニーズ・ワールド」が11日、東京・帝国劇場で開幕した。歌やダンス、アクロバット、バトンなどエンターテインメントをちりばめた作品。前日夜に作・構成・演出のジャニー喜多川氏(84)のひらめきで、森進一(68)の演歌を盛り込んだ。加えたのは、森がNEWSのデビューシングル「NEWSニッポン」のカップリング曲「ありがとう・今」を演歌調でカバーしたもの。ジャニー氏が手掛けた森光子さん主演舞台「新春・人生革命」の中で流れたことがある。

 第1幕の終盤、Sexy Zone佐藤勝利(19)と中島健人(21)の殺陣シーンで、ジャニー氏はジャニーズJr4人に演歌カバー曲で歌うように指示。このため、会見を30分遅らせ、開演約1時間前まで徹底的にリハーサルを行った。勝利は「『ユーたち、変えちゃいなよ』というジャニーさんの声で、演歌の名曲を挟みました」と説明した。

 ジャニー氏は、森のNHK紅白歌合戦卒業宣言について話しているうちに「森さんの曲を入れるとカッコイイよね」と思い付いた。過去に関ジャニ∞を歌謡曲・演歌部門でデビューさせるなど、演歌への思い入れは強い。この日も「演歌はみんな知っている。演歌の人たちと交わることは一番分かりやすい」と話した。

 森の紅白卒業宣言にも思い入れをにじませた。「森さんが『これを最後に』と言っている時代じゃないと思う。今こそみんなで手を握り合って、やらなければならない時代。それを率先して紅白がやらなければならないと思う。我々が声を大にしても、乗ってくれる人たちがいない」。演歌界を代表する森へのエールを自らの舞台で示した形だ。

 また紅白については「我々は全て1分で勝負しているという意味で、紅白に対応できる。紅白を見た方たちが帝劇に来てほしい」と言い、「ジャニーズ・ワールド」で示すド派手な演出の一部を紅白のステージでも披露する意向を示した。【近藤由美子】