桂歌丸(79)が日本テレビ系「笑点」(日曜午後5時半)の大喜利司会を勇退することが4月30日、分かった。この日都内で行われた「笑点50周年記念スペシャル」(15日午後5時)公開収録で、今月22日の生放送が最後となることを発表した。

 会見で歌丸は「80歳になったら、少しは楽をして、落語を勉強したい」と話したが、本音だったろう。

 歌丸は三遊亭円朝の怪談噺をライフワークとして、8月の国立演芸場で長講を手掛けてきた。しかし、一般的には高視聴率を記録する「笑点」の大喜利レギュラー、司会者としてのイメージが強く、以前から「『大喜利の歌丸』ではなく、『落語の歌丸』で終わりたい」との思いがあった。「笑点」からの勇退で、落語にかかる比重が増して、柳家小三治以来4人目の人間国宝もあるかもしれない。

 口の堅い人だった。昨年秋に日本テレビに勇退を申し入れし、今年1月に大喜利メンバーに打ち明けたが、弟子には明かしていなかったという。この日の勇退宣言に、ある弟子は顔面蒼白(そうはく)だった。【林尚之】