演出家蜷川幸雄さん(80)の訃報をうけ、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長は12日「昭和と平成を見事につなげた人が、東京オリンピックを待たずにさよならなんてずるいよ」と追悼コメントを発表した。

 蜷川さんとは古くから親交があった。1989年に「唐版 滝の白糸」で岡本健一(46)に初舞台を踏ませ、SMAPがCDデビュー前だった木村拓哉(43)を「盲導犬」に起用。以降も多くの同事務所のアイドルを舞台に起用してきた。

 昨年元日放送のNHKラジオ第1「蜷川幸雄のクロスオーバートーク」にジャニー氏がゲスト出演、アイドルプロデュース論などを熱く繰り広げた。2020年の東京五輪開催決定後は「東京五輪の演出はぜひジャニーさんにお願いしたい」と話したこともあった。

 訃報を受け木村は「驚きと同時にものすごく悔しいです。自分が今あるのも、当時右も左も分からなかった自分に、人から拍手してもらえる厳しさと素晴らしさを教えていただけたからだと思います」、岡本は「蜷川さんは、今も確実に別の世界から舞台を作り続け、叫び続けていることでしょう。ありがとうございました」とコメント。東山紀之(49)は「まだまだ勉強したかったです。蜷川さん、寂しいです」。今年8月に蜷川さん演出の主演舞台「ビニールの城」を控えるV6森田剛(37)は「『ばか野郎、変態』と言われながら、たくさんの愛情をいただきました。もう1回会いたかった」と悼んだ。