12日に亡くなった演出家蜷川幸雄さんの遺作舞台「尺には尺を」(25日~6月11日)の公開稽古が24日、埼玉・さいたま芸術劇場で行われた。

 いつも蜷川さんが座った演出家席に遺影と愛用カップが置かれた。4月23日に主演の藤木直人(43)、多部未華子(27)ら出演者が病院で対面した。藤木は「本読みもする予定だったけど、体調が悪く、『頑張ります』としか言えなかった。必ず戻ってくると信じ、ちゃんとしたものを見せたいと必死だった。蜷川さんの思いをしっかりと形にしたい」と涙声で話した。多部は「どこか近くにいるような気がして、寂しいけれど大丈夫。最初の舞台の千秋楽に『シェークスピアをやりたい』と直談判した。蜷川さんの『一緒にやろう』という言葉を忘れずに芝居をしたい」。