8人組和風ロックグループ「和楽器バンド」が25日、世界文化遺産に登録されている栃木・日光東照宮の五重塔をバックに奉納ライブを行った。1400席の会場は国内のファンや海外からの観光客で埋まった。約1時間半のステージではジャパンカルチャーとして全世界で話題となった曲「千本桜」などを披露した。

 結成当初からメンバーの合い言葉は「東京五輪のオープニング・アクトを目指す」。テレビ東京系のリオ五輪番組テーマソングに新曲「起死回生」が決まっており、この日はさらに「ミ・ラ・イ」が同局リオ五輪の応援ソングにも新たに決定したことを発表。夢に向かって着実に歩んでいる。ボーカル鈴華ゆう子は「ダブルでやらせていただけるのは、4年後の東京五輪に向けて大きな励みになります」とあらためて喜びを言葉にした。

 「詩吟や和楽器などの素晴らしさを世界に浸透させたい」としてグループを結成。14年にパリで行われた「ジャパン・エキスポ」に参加し、今年3月には米ニューヨーク公演を成功させたばかり。この日は、日本文化の象徴の1つでもある日光東照宮でのライブを実現させると、メンバー8人は「想像以上の感触だった」と満足そうに声をそろえた。

 ◆和楽器(わがっき)バンド 13年に鈴華ゆう子(ボーカル)いぶくろ聖志(箏)神永大輔(尺八)蜷川べに(津軽三味線)黒流(和太鼓)町屋(ギター)亜沙(ベース)山葵(ドラム)で結成。14年4月にメジャーデビュー。デビューアルバム「ボカロ三昧」収録の「千本桜」はYouTube再生回数が3500万回に。昨年発売の2枚目アルバム「八奏絵巻」はオリコン週間ランキング初登場1位。