女優宮沢りえ(43)が20日、都内で開催された映画「湯を湧かすほどの熱い愛」(10月29日公開)の完成披露試写会舞台あいさつに出席した。

 同作は余命2カ月を宣告された母が紡ぎ出す家族愛がテーマで、中野量太監督(43)の商業映画デビュー作品でもある。舞台あいさつには、中野監督、杉咲花(18)松坂桃李(27)篠原ゆき子(35)駿河太郎(38)伊東蒼(11)も出席した。

 宮沢は「台本をもらって読んだ時に本当に素晴らしい作品に出会ったと思い、この作品に出演しなければ後悔すると思いました」と話し、「出演者、スタッフがみんな同じ方向を向いて作り上げた作品なので、この日を迎えてちょっと泣きそうです」と目をうるませた。

 中野監督は宮沢と同じ年だが、「同じ年の映画人ががんばっているのは、役者としても励みになります。この作品が監督のデビュー作品ということで責任も感じましたが、本当にすばらしい作品になっていると思います」と宮沢は絶賛。中野監督は「自信があります」と言いながらも、「実は宮沢さんから『脚本が良くて、役者が良くて、これでおもしろくなかったら燃やすからね』と言われています。今日見ていいなと思った方は、ぜひ宮沢さんの耳に届くようにお願いします」とPRをお願いした。また、杉咲からは「監督が集中すると鼻息がすごくて、それで何度もNGが出ていました」と暴露されると、「僕の鼻息が出たということはそれだけそのシーンが良かったということ」と笑顔で反論した。

 最後に宮沢は、「命があって健康で幸せな日常は当たり前ではなく、薄紙を重ねたような奇跡だということがこの作品に充満しています。この作品を見た方が、明日の風景がちょっとでもすてきに見えたらうれしいです」と話した。