石原裕次郎さんの妻で、石原プロモーション会長の石原まき子さん(83)が1日、長年映画界の発展と人材育成に貢献したとして、「第61回『映画の日』中央大会」で感謝状を贈呈された。配給、興行、製作、現像所など映画に関わるさまざまな企業でつくる「映画産業団体連合会」が行う式典で、まさに映画界全体からの感謝状だ。

 まき子さんは、裕次郎さんとともに石原プロモーションの創立に参加、さまざまな作品に関わってきた。87年に裕次郎さんが52歳で亡くなった後も、人材育成や発掘に心を砕いてきた。88年に始まった「日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」では石原裕次郎賞、石原裕次郎新人賞を創設し、運営。さらに今年、16年ぶりに「石原プロ次世代スター発掘オーディション」を主催した。

 スピーチでは、これまで歩んできた歴史や思いがめぐった。冒頭「元女優北原三枝です」とあいさつして沸かせた。結婚してからはほとんど名乗ることやサインをすることがない名前を口にした。また、1953~54年にかけて3部作で公開された映画「君の名は」がデビュー作だったことにも触れた。今年、顕著な興行成績で表彰されたアニメ「君の名は。」を引き合いに、「今日は2つ賞をいただくことになります」とユーモアも交えた。

 石原プロのスタッフにも謝意を示すとともに、まき子さんは「裕次郎より30年も生き延びてしまいましたけど、これからも頑張って、いつまでも協力させていただこうと思っております」と、今後も映画界発展に関わっていくことを誓った。【小林千穂】