堺正章が8日、東京・港区のライブレストラン「BLUE NOTE TOKYO」で、70歳記念のスペシャルライブを行った。「70歳になっちゃったんですよ」とあいさつし、ボーカルを務めたバンド、ザ・スパイダース時代のヒット曲「あの時君は若かった」やソロ曲「さらば恋人」などを色あせない歌声で会場に響かせた。

 約1時間半で10曲を歌唱したライブ前にインタビューに応じた。古希を迎えたことに「肉体は衰えるけど、それをカバーする味わいみたいなものがある。70歳の頑張り方を見せたい。燃えるものがあるよ」と同世代にエールを送った。65年に芸能界デビューして51年。今年8月、70歳になった。10年後に迎える80歳を1つのメドにしている。「これからの10年が最終章でラストスパート。精神を大切にいきたい。勝負です!」と気を引き締めた。

 料理の味を星の数で表す企画などで人気の、司会を務めるTBS系の料理番組「新チューボーですよ!」が24日の放送で約22年の歴史に幕を閉じる。一部で番組終了の理由を「堺の味覚障害が原因」と報じられたが「全くない」と笑って完全否定した。

 堺の父親は68年に亡くなった喜劇俳優堺駿二さん。高1の時にザ・スパイダースに加入した息子に「仕事は途中で辞めるな」と助言。「それを守ってやってきた。今も父が見守ってくれているように感じる」と教えに感謝した。女優として活動する堺の次女小春(22)が、3代目として「『堺』を継ぎたい」と2カ月前に打ち明けたという。「ちょっと感激したよ」。

 歌手や俳優、司会者として半世紀以上もフル回転してきた国民的エンターテイナーが、人生の節目を“星3つ”の盛り上がりで飾った。【松本久】