大河ドラマ「黄金の日日」や映画「影武者」などに出演し、俳優として活躍した根津甚八(ねづ・じんぱち、本名透=とおる)さんが29日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。69歳。山梨県出身。

 唐十郎さん主宰の劇団「状況劇場」を経て、1978年のNHK大河ドラマ「黄金の日日」で石川五右衛門役を演じて人気を博した。83年、映画「さらば愛しき大地」と「この子の七つのお祝いに」の演技で日本アカデミー賞主演男優賞の優秀賞、88年には「この愛の物語」などの演技で同助演男優賞の優秀賞に選出された。

 ほかに黒沢明監督の映画「影武者」や「乱」、降旗康男監督の映画「駅 STATION」など多数の作品で活躍した。

 2001年ごろ、目の病気を発症。04年には自動車運転中に死亡事故を起こした。目の病気の後遺症などに悩まされ、10年に俳優としての活動を引退。15年、ほとんど体を動かせない状態ながら、石井隆監督の依頼に応え、映画「GONIN サーガ」で1作限りの復帰を果たした。