米倉涼子(41)が5年ぶりに米ブロードウェーの舞台に立つことが19日、分かった。12年に主演した全編英語版のミュージカル「CHICAGO(シカゴ)」に再び主演することが発表された。前回と同じニューヨーク・アンバサダー劇場で、7月3日から10日間上演する。日本人女優がブロードウェーミュージカルで2度主演するのは初めて。

 名作「CHICAGO」は昨年11月、リバイバル上演スタートから20周年を迎えた。プロデューサーのバリー・ワイズラー氏からラブコールを受けた米倉は「節目の年に再挑戦できることはとても光栄です」と感激している。また「5年というブランクに不安もありますが、それ以上にもう1度演じることのできる喜びで胸がいっぱいです」としている。

 米倉は08年と10年に日本版「CHICAGO」に主演した。12年7月のブロードウェー初挑戦が決まると「私にとって夢と誇り。これをやるために生まれてきたと思うこともある」と話すほど思い入れの強い作品だった。前回公演後も現地や日本で自主稽古を行い、15年12月に「CHICAGO」の来日公演が行われ、湖月わたるが出演した際にも稽古に協力するなど、継続的に関係を深めていた。

 12年の上演以降も米倉のカムバックを熱望していたワイズラー氏から、メモリアルイヤーを機に正式にオファーを受けた。同氏は「女優、女性として経験を積んだ涼子を見ることが今から楽しみ。ブロードウェーの演劇界に革新を与えてくれるでしょう」と期待を寄せている。

 米倉は4月から日本で、英語の発音、歌やダンスなどの稽古を開始する。「年齢を重ねたことで、また違った世界観を表現できるのではないかと、今から楽しみ。悔いのないよう全力で挑みます」と意気込んでいる。8月2日から日本公演も予定している。

 ◆「CHICAGO」 75年、ブロードウェーのアンバサダー劇場の初演から77年までロングランを記録して1度閉幕したが、96年にリバイバル公演がスタート。リバイバル作としてはブロードウェー史上歴代1位のロングランの記録を更新中。物語は1920年代のジャズ全盛時代の米シカゴを舞台に描く。愛人を殺し、投獄された主人公の女性ロキシー・ハートが、うそをついて無罪を勝ち取る姿と逆に失ったものを、強欲、暴力、金もうけ、裏切りなどを織り交ぜて描く。