第59回ブルーリボン賞(主催・東京映画記者会=日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者で構成)の授賞式が8日、東京・霞が関のイイノホールで行われた。「聖の青春」などで主演男優賞の松山ケンイチ(31)、「後妻業の女」で主演女優賞の大竹しのぶ(59)らが出席する華やかな式は、昨年度の主演男優賞で、司会を務めた大泉洋(43)のマシンガントークで爆笑の渦に包まれた。

 松山は、1枚の絵を手にステージに登壇した。「聖の青春」で演じた村山聖を、映画「珍遊記」の原作者、漫☆画太郎氏がこの日のために書き下ろした、松山ならではの“コラボ作品”を準備していた。受賞を紹介するVTRに「珍遊記」のシーンがなく「ビックリしました」と笑わせつつ「去年はすばらしい作品ばかりの中、選んでいただいて光栄です。喜びを共有できる方がたくさんいて、幸せだなと思いました」と堂々と胸を張った。

 大竹にとっても、「青春の門」で75年度の新人賞、「波光きらめく果て」で86年度の助演女優賞を受賞するなど、思い入れのある賞。「授賞式も厳かなイメージだと思って」深緑色の辻が花染めの訪問着を着こなして臨み「今後は、映画の中でリアリティーのあるおばあちゃんになって、10年後、20年後にまた立ちたい」と感慨深げに話した。

 華やかな雰囲気の中、笑いで盛り上げたのが、司会の大泉だった。主演男、女優賞受賞者が、次年度の司会を務めるのが慣例。オープニングから、ともに司会を務める有村架純(23)のコメントをそのままコピーしたり、最初に登壇したゴジラに絡んで、のっけから予定時間をオーバーして巻きが入ったり、受賞者をイジリ倒して、盛り上げた。来年度に司会を務める松山は、そんな大泉の様子をジッと観察していたが、あまりのマシンガントークぶりに「本当にペラペラペラペラしゃべってらっしゃるので、何の参考にもならなかった」と苦笑い。受賞トークでは、大泉に背を向けながら、有村とだけ会話を繰り広げて笑いを誘った。

 また、大竹も「来年、松山君とこの笑いを作れるのか…」と不安げな表情を見せると、大泉もさすがに「来年こそは厳かな式に戻してください」とフォローして、さらに会場を沸かせていた。【大友陽平】