Kー1で活躍、タイのムエタイで史上4人目の外国人王者となった元キックボクサーの俳優武田幸三(44)が、よしもと新喜劇映画「商店街戦争-SUCHICO-」(3月4日公開)で、新喜劇座長のすっちー(45)とダブル主演、初コメディーに挑戦している。物語は武田の演じる型破りな刑事・春日が、芸人のすち子(すっちー)とコンビで、商店街の連続行方不明事件を解決するバイオレンスコメディーだ。

 武田は09年に引退して役者に転向。そのこわもての風貌と鍛えあげた肉体を生かして、暴力団員やダンプの運転手などワイルドな役を、シリアスな物語の中で演じてきた。14年には映画「デスマッチ」では映画初主演を果たしている。昨年のNHK大河ドラマ「真田丸」では、豊臣秀頼に仕えて大坂冬の陣で活躍する大野治房役を演じた。

 それが、「商店街-」は、コテコテの新喜劇。すっちーをはじめとして、共演者は吉本新喜劇の役者たちばかりだ。「新喜劇が大好きだから、話を聞いたときはうれしかったですね。でも、いつもテレビで見ているベテランの方ばっかりで、その方たちと一緒に芝居をするのは緊張しました」と言う。

 同い年うまれのすっちーとは初共演だった。「一体どうなるか、全く想像つきませんでした。だけど初対面だった移動の車の中で、僕の顔をじっと見て『コーヒー豆かな?』っていじってくれた(笑い)。それは映画の中でも生かされています。すっちーさんと2人だけのシーンは、ほぼ台本がありません。『車の中』とか指定があって、全部アドリブでした」と振り返る。