先日、俳優神木隆之介(23)を取材した。子役から順調にキャリアを積み、昨年主人公の声を務めた「君の名は。」が大ヒット。主演2部作映画「3月のライオン」前編は、18日に公開を控えている。オファーが絶えない俳優だが、子役時代は何度もオーディションを受けて、役をつかみ取っていた。

 すでに、スタジオジブリ4作品に声の出演をしているが、最初は当然オーディションだった。神木は「01年、『千と千尋の神隠し』の(声を務めた)坊はよく覚えてます。お母さんと電気屋でマイクを買ってきて。台本をいただいていて、お母さんが千の役で、マイクを貸し合って、セリフを言っていた記憶があります」と、懐かしそうに振り返った。

 母親と二人三脚で練習をするのは、子役ならではのエピソードだ。そんな神木も20代。今後、演じてみたい役を聞くと、「会社員」を挙げた。「年的に大卒だと、入社2年目。2年目、3年目とかですよね。社内で働いている役をやってみたいです。スーツを着て」。そう話す横顔は、りりしい大人の男性だった。

 一視聴者、一映画ファンとしても子役時代から神木を見ているだけに、幼いころから今の話まで幅広く聞くと、成長をしみじみと感じてしまった。