先月30日に発売。エッセーの初版は「普通は1万部未満」といわれる中で異例の12万部。発売前の重版も決まり、発行部数計18万部と絶好のスタートを切った。三省堂書店池袋本店では、村上春樹氏の新作「騎士団長殺し」(2月24日発売)を上回る売れ行きをみせている。

 幅広く活躍している星野は「音楽家・文筆家・俳優」を名乗り、作家活動も好調だ。妄想や下ネタも交えたユニークな視点でつづった上、読みやすい文章が人気。これまで発売した「そして生活はつづく」「働く男」「蘇る変態」と新作の計4作の累計発行部数は120万部にも上る。新作はアジア各国からもオファーが殺到。今夏に台湾で中国語版が発売されることが発表された。以前、公演を行うなど台湾でも人気は抜群。星野も作家としての海外デビューに「何ですって? へぇ~すごいですね!」と素直に喜んだ。

 この日はファンの質問も受け付け、兄さんと慕う「逃げ恥」ファンの大泉洋(44)との会食時のエピソードも披露。「席に着くと大泉さんが緊張していて。『うわぁ(星野演じる)平匡さんだ!』って。すごくかわいかった」と明かし、会場を沸かせた。

 09年のサイン会以来、8年ぶりの書籍関連イベントで、書籍トークイベントは初めて。感激で涙をぬぐう女性も現れるなど、ファンは星野の一挙手一投足を食い入るように見守った。【近藤由美子】

 ◆星野源(ほしの・げん)1981年(昭56)1月28日、埼玉県生まれ。00年バンド「SAKEROCK」結成。03年劇団「大人計画」所属。10年アルバム「ばかのうた」でメジャーデビュー。14年くも膜下出血治療からの復帰ライブを開催。ドラマはNHK大河「真田丸」、映画は「箱入り息子の恋」「地獄でなぜ悪い」など。15年から2年連続でNHK紅白歌合戦出場。168センチ。血液型AB。