歌舞伎俳優の中村雀右衛門(61)中村吉右衛門(72)が28日、都内で「松竹大歌舞伎 中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露」(6月30日~7月30日)の制作発表を行った。

 演目は「妹背山婦女庭訓」「襲名披露口上」「太刀盗人」。全国36公演を予定。

 雀右衛門は「父が昭和39年に襲名披露の際に『妹背山婦女庭訓 三笠山御殿』をやりました。今回、御殿をさせていただくことになりました。しかも播磨屋のお兄さんのお力を借りてできるのはこの上ない喜び」とあいさつ。「父が襲名の際に演じた時と同じ大きな役。心して務めないとならない」と抱負を述べた。

 昨年3月に襲名披露をしたが、「まだ町で芝雀さんと呼ばれると、振り向いて答える状況。雀右衛門を襲名するまで50年、芝雀を名乗っていました。ずっと芝雀で終わるかと思う時期もありました。やっとスタートラインについた気持ちです」と語った。

 吉右衛門は「既に雀右衛門さんが体に入って、芝雀さんの時代よりも何十倍も大きくなっている気がします。披露しなくてもいいんじゃないか」と笑顔を見せた。