公演ドタキャン騒動の渦中にいる歌手の沢田研二(70)が21日、大阪府大阪狭山市の「SAYAKAホール」で、今回は予定通りに公演を行った。キャンセル後、初となる公演で自ら経緯や思いを直接ファンに説明した。

収容人数約1200人の同会場は満員で、チケットも前日までには完売。報道陣も多く詰めかける中での公演となった。

ライブを見届けたファンによると、沢田は2曲目「彼女はデリケート」を歌い終えた後、普段はアンコールまで行わないというMC(トーク)を行った。自分の頑固な性格から、集客数などの面で自ら中止を決断したと経緯を説明し、「ファンの方には申し訳ないけど、自分の信念を貫かせてもらった」。キャンセルした、さいたまスーパーアリーナ公演に集まっていた7000人のファンへの謝罪の言葉も述べたが、直接伝えられないことに「残念です」と話していたという。

それでも、「僕は(自身に)白旗を上げたのではなく、情熱の赤い旗を上げた。70歳にして新しい目標ができた」。今回の件で自分を見つめ直し、いちからスタートを切ると話し、「もう1度、さいたまスーパーアリーナを満席にできるように」とリベンジを誓ったという。

全18曲を披露する中で、アンコール後にはキャンセルした公演の代替として、1月5日、2月7日に埼玉・大宮ソニックで公演を行う意向も明かし、最後はデビュー当時から知るファンの多くが「見たことがない」という投げキッスでステージを後にしたという。

奈良から来た60歳と62歳の女性ファンは、キャンセルとなった前公演にも足を運んでいたという。中止については、翌日の本人の釈明などで理解しているといい、「早くジュリーの曲を聞きたかった」。逆に体調面などを心配していたと話し、「今日、(チケットを)取っておいて良かった。逆に、さいたまに行っておいて良かった」と2重の喜びで感激していた。23日に行われる兵庫・尼崎での公演チケットも購入済みだといい、「もう次はいつも通り。今日で(騒動は)終わり」と沈静化を望んでいた。