漫画家でイラストレーターの、きくちゆうき氏が22日午前10時2分からツイッターを相次いで更新し、19年12月19日から毎日、ツイッターとインスタグラムで連載を続け、20日午後7時20分に最終回を更新したコマ漫画「100日後に死ぬワニ」の読者に感謝のメッセージを送った。今後も創作活動は続けていく考えを示した上で、ラストシーンは連載開始当初から決まっていたことも明らかにした。

「100日間、ワニの話を読んでくれてありがとうございました。自分の描きたいことは描けましたので、満足です。これからも作品を描いていくので、気が向いたら見てください。」

また、きくち氏は「自分の経験したことや、後悔、伝えた方がいいと思うことを漫画として表現しました。1人で始めたことです。」と、今回の企画は全て、自分個人で自発的に行ったことであると強調。その上で「そこにいろんな人が声を掛けてくれて、熱意を感じて受け入れました。」と、ツイッターで連載を続けていく過程で、多方面から声がかかったことも明らかにした。

その一方で「正直、まだ完結もさせてないのに、そんなこと言ってこの人たち大丈夫??と思いました。」と、1人で始めた企画に対して、想像以上の反響があり、戸惑ったことも吐露した。

最終回の100日目は、4コマではなく3日分超の13コマで描かれた。その中で、車道を歩いていたヒヨコを歩道に押し出すワニの手が描かれ、その後、ヒヨコが歩道に落ちたワニのものと見られるスマートフォンを見つけた。そして最後の1コマは桜吹雪が舞うシーンで終わっている。ワニは、ヒヨコを交通事故から救い、自らひかれて亡くなったとみられる。

きくち氏は、最終回について「始めた時から漫画のラストは決めていました。」と連載当初からラストが決まっていたことを明らかにした。その上で「絶対にしないけど、もし100日目でめちゃくちゃなギャグ展開で終わらせてたら、声掛けてくれた人たちどうなっちゃうんだろう。とか思っていました。」と、ギャグ路線で締めた場合、どうなるかなど思い巡らせていたことも明かした。

また、途中から自身の言葉でツイートしなくなったことについては「漫画の途中からツイートしなくなったのは、作品の邪魔になると思ったからです。作者が作品の邪魔をするのは良くないなあと。言いたいこと、伝えたいことは漫画で伝える。漫画家ですから。」(原文のまま)と、あくまで漫画家として、作品で想いを訴えるべきだと考えたと説明した。

「100日後に死ぬワニ」は、アニメ映画化と書籍化が発表されている。書籍は4月20日に小学館から「ゲツサン少年サンデーコミックス」として出版される。100日間の本編に加え「0日目」や「100日後の後日譚」など描きおろし28ページが収録予定だ。