石原裕次郎新人賞に名を刻んだ眞栄田郷敦(21)は、歴史に名を残したいと幼い頃から思っていたという。

「歴史に残るっていうのは一番の持つべき目標。なんか小さい頃から漠然と思っていることなんですよね」と自らを少し不思議がるように語り出した。

眞栄田が生まれる13年前に裕次郎さんは亡くなったが「もちろん知っています。レジェンドだということを」と印象を述べ「歴史に残るような方ですよね。そういうのは絶対に目指していきたいです」と続けた。

「東京リベンジャーズ」「ヒノマルソウル-」では全く異なるキャラクターながら、スクリーン上で存在感を発揮した。映画デビュー3年目。「もうちょっと賞を頂けるのは先かなと思っていた」といいつつ「自分がやってきたことが間違っていなかったんだって自信にはつながっています。いいものがさらに生まれていく気がします」と顔をほころばせた。

今年の下半期頃から、俳優業がより楽しくなってきたという。「すごく良いシーンが撮れている時の現場の空気感とか、妥協せずに作品を作っている時間みたいなのがすごく楽しくて。その時間が多いほど良い作品になると思います」。

裕次郎さんと並び、昭和映画界の大スターである父・千葉真一さんの意志も継いでいる。「世界で戦えないと意味がないってことはすごく言っていた。まだ修業させていただきますという感じです」。

きちんと立ち上がってあいさつする気品、現場好き、スケール感、同じ身長183センチ。どこか、裕次郎さんに重なる要素をかもしだす。偉大な父親からの教えも胸に、歴史に残る大スターへの階段を駆け上がっている。【佐藤成】

◆選考経過・石原裕次郎新人賞 選考委員から眞栄田、金子大地、和田庵、杉田雷麟が推挙された。議論の中で「背も高くアクションもでき、風格は出てきている」(笠井信輔氏)と、石原裕次郎さんを思わせると評する声があった眞栄田が2回の投票の末、選出。

◆眞栄田郷敦(まえだ・ごうどん)2000年(平12)1月9日、米ロサンゼルス生まれ。幼少期をアメリカで過ごす。19年に映画「小さな恋のうた」でデビュー。TBS系ドラマ「ノーサイド・ゲーム」、「プロミス・シンデレラ」、WOWOW「キン肉マン THE LOST LEGEND」などに出演。特技はサックス、空手、ギター、殺陣。兄は俳優の新田真剣佑。183センチ。血液型B。

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◆「東京リベンジャーズ」 花垣武道(北村匠海)は元彼女の橘日向(今田美桜)と弟直人(杉野遥亮)が東京卍曾に殺されたことを知った翌日、駅のホームから落ち10年前にタイムリープ。日向を救うためには、弐番隊隊長三ツ谷隆(眞栄田)が属する東京卍曾を消滅させるしかなかった。

◆「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」 長野五輪ラージヒル団体戦1本目で、日本は4位に後退し、猛吹雪で競技も中断。審判員はテストジャンパー25人全員が無事に飛べることを再開の条件として提示し、日本の金メダルへの希望は西方仁也(田中圭)南川崇(眞栄田)らに託された。

昨年、「望み」などで石原裕次郎新人賞を受賞した岡田健史(22) このたびは受賞おめでとうございます。この賞を与えられる者は周囲に求められる瞬間が連続していると思います。そのまっただ中でも、どうか健やかに生きてください。心身共に健康なら、人は何でも成し遂げることができる、と私は信じています。つたない言葉を連ねた上に、面識もない私で大変恐縮ですが、眞栄田様への祝辞のあいさつとさせていただきます。あらためておめでとうございます。

○…テイチクエンタテインメントから、石原裕次郎新人賞の副賞として裕次郎さんの代表曲85曲を収録したレトロホーンが同社松尾佐和子取締役マーケティング部長から贈呈された。