柄本佑(36)が初の助演男優賞を受賞した。27日に日刊スポーツ公式YouTubeチャンネルでプレミア配信された特別番組内で発表された。

「ハケンアニメ!」(吉野耕平監督)では作品のために悪者になるのもいとわないアニメプロデューサー、「川っぺりムコリッタ」(荻上直子監督)では親身になって寄り添う役場の職員、「夜明けまでバス停で」(高橋伴明監督)では世の中を扇動するユーチューバーを演じた。

▽柄本佑コメント

この度は「日刊スポーツ映画大賞・助演男優賞」を頂きまして大変ありがとうございました。今回「川っぺりムコリッタ」では監督はじめ、主演の松山(ケンイチ)さんと絡むことが多かったんですが、僕はこの仕事を始めてから、松山さんとなかなか共演する機会がありませんで。ただ僕はあの大ファンの役者さんの1人で。今回シーン数は少ないながら、松山さんと一緒にお芝居をさせていただくことが本当に楽しくて、非常に充実した日々を過ごさせていただきました。

そして「夜明けまでバス停で」という高橋伴明監督の作品は、これに関しては僕は押しかけて、「伴明さん、新作撮るんですか、出させてください」みたいな感じで、KENGOという役をいただきまして。あれもシーン数少ないながら、初日の撮影だったんですが高橋伴明監督の「よーい、スタート」には本当に俳優を突き動かせる力がありまして。もちろん見られることの情感はありますが、また(現場に)行きたい。なぜ思うかといいますと、やはり楽しかったからです。

そして「ハケンアニメ!」行城という役です。吉野監督とも初めてでした。吉岡(里帆)さんとも初めてでした。しかしその吉野監督の頑固さに、僕は現場で非常に支えられていたと思います。そしてこの行城の、ある種、非情さみたいなもの。吉岡さんがグーッと悔しい顔をしてるのが、何とも似合う。ということで吉野さんと共謀して、いかにしてこの悔しい顔を引き出そうかというふうに演じていました。こういった行城を出させていただいたのは、本当にひとえに監督と、あと他の共演者、そして何より吉岡さんの力が大きかったと思います。本当に楽しい日々で、そんな日々が、こういう賞につながったということは、自分がそうやって楽しく思ってたことは、間違いじゃなかったのかなというふうに思ってます。

このような大変な賞を頂きまして、恥じることのないよう、日々また精進させていただきますので、今後ともまた、よろしくお願い致します。本日はどうもありがとうございました。

◆柄本佑(えもと・たすく)1986年(昭61)12月16日、東京都生まれ。03年の映画「美しい夏キリシマ」で主演デビューしキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞。18年には同賞で主演男優賞を受賞。妻の安藤サクラも主演女優賞を獲得し、夫婦受賞が話題に。

◆ハケンアニメ! 斎藤瞳(吉岡里帆)は行城理(柄本)の抜てきで「サウンドバック 奏の石」で監督デビューも気合が空回り。同時間帯に放送される憧れの王子千晴(中村倫也)復帰作「運命戦線リデルライト」との戦いで“ハケン=覇権”を目指す。

◆川っぺりムコリッタ 山田たけし(松山ケンイチ)は無一文状態で北陸のイカの塩辛工場で働き、安アパートに住み始めた。ある日、子どもの頃に自分を捨てた父が孤独死したと役場の職員・堤下靖男(柄本)から連絡が入り、反発しつつも引き取りに行く。

◆夜明けまでバス停で 北林三知子(板谷由夏)はコロナ禍で仕事と家を同時に失い深夜、バス停の細いベンチで仮眠をとっている。そこにやってきた男がコンビニ袋に石を詰め頭上に振り上げる。男はユーチューバーKENGO(柄本)の配信を見ていた。