小説「夫婦善哉(めおとぜんざい)」などで知られる大阪・ミナミの法善寺境内に、定席の演芸場を開設する計画が進んでいることが12日、分かった。

 周辺では演芸場「B1角座」や名物飲食店「くいだおれ」が相次いで姿を消しており、地元商店主や関西演芸協会が協力、新たな名所づくりで活性化を狙う。

 同協会の桂福団治会長によると、既に法善寺の了解を得ており、発起人に落語家の桂春団治さんや作家の藤本義一さんらが加わり、来春のオープンを目指している。

 演芸場は「法善寺文化寄席会館」(仮称)。境内の空き地を利用して平屋に88席を設け、漫才や落語、浪曲、講談などの公演を予定。建設資金は約3000万円で、商店主らの自己資金や企業から募る寄付でまかなうという。

 大阪市内では、06年に上方落語協会と天神橋筋商店街などが協力して大阪天満宮敷地内に落語定席「天満天神繁昌亭」を開設、成功を収めており、これを参考に計画を進めているという。