女優とよた真帆(45)と夫で映画監督・作家の青山真治氏(48)が、舞台「私のなかの悪魔」(来年3月25~31日、東京・池袋のあうるすぽっと)で主演と演出家として初タッグを組むことが23日、分かった。スウェーデンの世界的劇作家ストリンドベリの「債鬼」を原作に、青山氏らが翻案した。1人の女性をめぐる夫の画家と元夫の教員の恋愛バトルを描く。

 とよたと青山氏は02年に結婚したが、一緒に仕事をするのは初めて。舞台演出が3度目の青山氏は「僕が映画監督や舞台演出をしているのも彼女と一緒に仕事がしたかったから。そういう機会が得られず、10年たったけれど、こういう形でやれるのはうれしい」。とよたも「家では『私を使ってよ』『私の役はないの?』と言っていたので、芝居という形で実現して良かった」と楽しみにしている。

 青山氏は翻案にあたり、とよた演じる主人公の女性像も変えた。「悲劇か喜劇か分からないところに持っていきたい。どこか笑える、シニカルなものにしたかった」。2人の男を翻ろうする悪女イメージをかわいい小悪魔的な設定にした。とよたは「やることはめちゃくちゃだけど、かわいく、生きていくのがうまい女性。せりふもしっくりいくように書いてくださったので、面白いの。私に向いている役かな」。

 既に本読みリハーサルを行ったが、本格的な稽古は来年2月から。青山氏は「せりふにある笑い声は彼女の笑い声で作っている。彼女でしか出ない笑い声で、つい書いちゃった」と明かした。とよたは「いつもは稽古が始まるまで役についてもんもんとするけれど、家に演出家がいるので(共演の)2人よりも得かな」と笑った。

 共演は元夫に佐戸井けん太、夫に高橋洋が決まっている。【林尚之】