第148回芥川、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は史上最年長となる黒田夏子さん(75)の「abさんご」(早稲田文学5号)に決まった。1974年に61歳で芥川賞に決まった森敦さんの記録を大きく更新した。黒田さんは記者会見で「生きているうちに見つけてくださって、ありがとうございました」と感謝した。

 直木賞は朝井リョウさん(23)の「何者」(新潮社)と、安部龍太郎さん(57)の「等伯」(日本経済新聞出版社)に決まった。朝井さんは戦後最年少、男性としても最年少の受賞で、平成生まれ初の直木賞作家となる。朝井さんは「作品を書くことから逃げないように頑張っていきたい」と決意を述べた。

 贈呈式は2月下旬、東京都内で開かれる。賞金は各100万円。