元サッカー日本代表で、なでしこリーグ・伊賀FCくノ一の浅野哲也監督を父に持つ宝塚歌劇団星組の若手男役、礼真琴が22日、兵庫・宝塚バウホールで、主演舞台「かもめ」の初日(6月1日まで)を迎えた。

 「歌にも踊りにも頼れない。芝居を磨く絶好のチャンス」と取り組んだ今作。台本でのセリフ10行以上は「ザラでした」と、長ゼリフも多く、無事に初日を終え感極まった様子だった。

 今作はロシアの作家チェーホフの著書をもとに、宝塚初の舞台化。19世紀末のロシアを舞台に、湖畔の屋敷に住む劇作家志望の青年トレープレフと、女優を目指す少女ニーナ(城妃美伶)の恋を軸に描く人間劇。

 礼といえば、大劇場公演の前作「眠らない男-ナポレオン・愛と栄光の涯に-」、前々作「ロミオとジュリエット」の新人公演に連続主演。得意の歌唱力、ダンスを武器に台頭し、今回、バウ初主演の切符をつかんだ。

 新人公演と違い、本公演での“お手本”がないバウ公演。次の課題は芝居と認識していただけに、俳優藤原竜也が主演した同舞台「かもめ」も見た。「ものすごいエネルギーとパワー。藤原竜也さんは長ゼリフでも、ちゃんと単語が聞こえてくるし、意味も伝わる」と言い、藤原の演技も参考に、役を作り上げてきた。

 100周年イヤーの今年、浮上のきっかけをつかんだホープは「黒えんび服を着て、リーゼントでキメて大階段で踊る。芯の通った男役に」と話している。