放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は11日、佐村河内守氏の作曲者偽装問題に関連し、同氏を取り上げた「NHKスペシャル」などテレビ5局の7番組を「視聴者に著しい誤解を与えた」として審理対象とすることを決めた。

 同委員会は「各局そろって間違ったことが非常に重大。虚偽の疑いのある放送に障害者や被災者を巻き込んだことを放置できない」と指摘。訂正放送についても「ほとんどの局が再現ドラマのような放送をしているが、どこが本当でどこがうそかといった十分な対応をしていない」とした。

 対象番組は昨年3月放送の「NHKスペシャル『魂の旋律~音を失った作曲家~』」のほか、在京キー局の番組。耳が聞こえない作曲家として佐村河内氏を取り上げたが、実際には別人が作曲していた。

 同委員会は、各局から取材や放送の経緯についての報告や映像の提供を受け、検討していた。