映画「柘榴坂の仇討」(若松節朗監督、9月20日公開)完成報告会見が30日、タイトルの柘榴坂に近い東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われた。

 主演の中井貴一(52)阿部寛(50)は、フォトセッションが行われたホテル内の庭園に、劇中にも登場する人力車で入場し、池の側でザクロ味のシロップがかかった特製かき氷を食べた。中井は「すっぱいね。ザクロの味って、どんなだったかな…と思って。おいしいです」と味わいながら食べ、阿部も「すっぱいです」と笑みを浮かべた。

 フォトセッション後の会見では、中井が「頑張って宣伝する会見ですが、あまりしゃべるな、と言われております」と言うと、若松監督も「あまりしゃべるな、と言われてますので。暑い夏に涼しい、いい映画が出来ました」と続いた。

 そう言いながら中井は終盤、熱っぽく語った。

 「(日本)男子の中にDNAとして必ずある武士道を出せれば、と常に意識して芝居することを心がけました。(最近)経済、金もうけばかりがニュースに流れる。お金は生きていくために必要…でも、第一義にあっていいのか。貧しくなる勇気など、DNAのどこかにあるものが復権できるかが大事な気がするし、日本は変わると思う。精神性は(演じていて)僕は勉強になったし、理解してくれる20代がいてくれたらうれしい」

 中井の熱い語りかけに、場内の空気が締まったまま、会見は終了した。