卓越した業績を残した世界の映画人に贈られるアカデミー名誉賞を日本のアニメ映画監督宮崎駿氏(73)らに授与する式典が8日(日本時間9日)、ロサンゼルスのハリウッドで開かれた。

 アカデミー名誉賞は1990年に故黒沢明監督が受賞して以来、日本人監督としては2人目。

 宮崎監督は「千と千尋の神隠し」で、アカデミー賞長編アニメ賞やベルリン国際映画祭金熊賞などを受賞。「ハウルの動く城」や「風立ちぬ」でアカデミー賞にノミネートされた。

 アカデミーは授賞理由を、「もののけ姫」で1990年代後半に世界的に有名になる前から「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」、「となりのトトロ」などの作品が日本で絶大な支持を受けていたと説明、長年の功績をたたえた。

 宮崎監督は13年9月、「風立ちぬ」を最後に長編製作から引退すると表明したが、最近、AP通信の取材に対し短編アニメ製作への意欲を示していた。

 宮崎監督以外の名誉賞受賞者は、フランスの脚本家ジャンクロード・カリエール氏とアイルランド出身の女優モーリン・オハラさん。

 名誉賞とは別に人道分野で功績があった映画関係者をたたえる「ジーン・ハーショルト人道賞」には、米俳優で社会活動家のハリー・ベラフォンテ氏が選ばれた。