来年から無期限活動休止を発表しているサザンオールスターズのデビュー30周年記念ライブが16日、神奈川・日産スタジアムでスタートした。活動休止前最後の夏ライブだが、ボーカル桑田佳祐(52)が掲げたコンセプトは「普段通りのサザン」。「エロいものも出てきます。オリンピックもいいけどオチンピックもね!」とあいさつし「お尻出しちゃお。北島にあやかって『金2つ』」などといつも通り、下ネタギャグも満載だった。

 3時間にわたり30年分の軌跡をたどった演目を歌い終えると、桑田はスタンド、アリーナを埋め尽くした約7万人の観衆を感慨深げに見つめた。4日間(16、17日、23、24日)の約30万枚のチケットは即日完売。30年分の応援を感謝し「夏が終わると思うと寂しい気がするし、やっと終わって良かったという気持ちも相半ばしている。サザンとしてはしばしお別れです」。

 5月に活動休止を宣言して以来、ファンの間で「活動休止したまま事実上の解散」の憶測も流れた。この不安を察知してか、桑田は「自信を持って新作をつくられるようになったらまた、あらためて皆さんの前に帰ってきます」と約束。何度も「このライブは伝説にしたくない。ただの通過点」「必ず戻ってきますから」と叫び、憶測を一蹴した。

 ライブ中、桑田は「サザンとしてしばらく会えなくなるから、まぶたの裏に焼き付けておいてください」とファンに呼びかけた。心配された雨はライブ中、一滴も降らず、満月がスタジアムを照らし続けた。だが、終演後に大粒の雨が降り始め、天も「しばしの別れ」に涙した。桑田は30年、ファンとの約束はしっかりと守り続けている。ファンからは「解散でなく充電期間と分かってほっとした」「寂しいけど、また見られると思っている」などの声が聞かれた。充電期間を経て、桑田は再びサザンオールスターズのボーカルとしてステージに戻ってくるはずだ。