黒木昭雄氏「カウス襲撃は命狙う警告」
吉本興業の漫才師中田カウス(59=本名・野間勝道さん)がクルマに乗車中、金属バットを持った男に襲われ、窓ガラスを割られ、負傷した事件で10日、警察ジャーナリストの黒木昭雄氏は「今回の事件はなんらかの警告ではないか」との見方を示した。カウスはこの日、出番だったなんばグランド花月(NGK)を休演。事件のショックを物語った。
黒木氏は今回の襲撃事件について相手に対して殺意を持った犯行ではなく、脅しの意味合いが強いとする。その上で「事件はなんらかの警告ではないか」とみている。凶器となった金属バットの先端には緊急時に車の窓を割る「ガラスクラッシャー」が取り付けられていた。
信号待ちで止まっていた乗用車の窓ガラスをいきなり割り、助手席にいた相手を襲う手口について、黒木氏は「乗車中に突然、ガラスが割られることは誰も予想なんてできない。予期できない手口は相手にかなりの恐怖心を植え付けることができる。さらに恐怖心をあおり立てるように金属バットによる襲撃。相手の視覚に与える恐怖心は相当なものになる」と指摘した。
「恐怖心」。犯行には襲撃相手への「メッセージ」が含まれているという。「『今回は命までは奪わないが、この次はこれだけでは終わらない』という明確な意図がうかがえる。身体への大きなダメージは加えないが、襲われた者にとっては襲撃された事実だけで相当なプレッシャーになる」。
さらに犯行手口には入念さが見て取れるという。犯人は襲撃現場から十数メートル離れた場所にミニバイクを置き、犯行に及んだ。「バイクを車に横付けしたほうが襲撃後、逃走しやすいと思われがちだが、今回の場合は違う。もし凶器が拳銃なら横付けがベストだが、今回はバイクをいったん降りて襲う犯行手口。襲撃の際にバイクが転倒することもあり、通報で駆けつけた警察官にバイクを押さえられることもある。今回、いち早く逃げる最善の方法は自らの足を使い、最後は“安全な場所”に置いてあるバイクで逃走すること」。
最後に犯人像について「素人ではない。人を襲撃することをかなり熟知している者だろう。最低でもかつて暴走族を経験した者、あるいは…」と話している。
◆黒木昭雄(くろき・あきお)1957年(昭32)、東京都生まれ。76年警視庁採用。99年巡査部長に昇進。同年退職し、ジャーナリストに転身。元警察官の視点で描いた「警察腐敗」(講談社)など著書多数。
[2009年1月11日9時15分 紙面から]
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