人気お笑いコンビ、ハリセンボンの箕輪はるか(29)が肺結核で入院したことが6日、分かった。肺結核は空気感染の可能性があり、所属の吉本興業は「昨年12月1日から4月3日まで吉本興業グループの劇場やライブ会場、番組収録スタジオで応援してくださった方に感染のおそれがあります」と注意を呼び掛けた。東京都も感染防止のため接触者の調査と健康診断の実施、電話相談窓口の設置などに乗り出した。あくまで感染の可能性は低いが、共演者やファン、スタッフに不安が広がっている。

 はるかは昨年12月ごろからせきが出ていたという。今月3日に都内の病院で精密検査を受けた結果、肺結核と判明。約2カ月の入院が必要と診断された。せきはあるが、元気な様子という。直後に主治医から保健所に報告されたが、はるかの肺結核は芸能界やファンを巻き込む事態になった。

 結核感染は、せきなどで空気中に飛び出した結核菌を肺に吸い込むことで起こる。そのため、はるかがせきの症状が出始めた昨年12月1日から入院する4月3日までに出演した吉本興業グループの劇場、ライブ会場、テレビ番組収録スタジオの観覧者にも感染のおそれがあるという。吉本興業は公式サイトで注意を呼びかけるとともに「長引くせきなどの症状がある方は、すぐに病院や診療所で受診ください。ファンの皆さまには大変ご迷惑ご心配をおかけし申し訳ございません」と謝罪文を掲載した。

 相方の近藤春菜やマネジャー2人、家族など身近な人の健康診断は終えている。春菜とマネジャー2人は発病しておらず、感染しているかどうかの結果は今週中に分かるという。春菜は現時点で仕事を休むことなく、7日のウェブ番組「よしもとオンライン」に出演する。はるかの恋人の放送作家せきしろ氏の感染について吉本の広報関係者は「把握していません」。

 都福祉保健局感染症対策課は各保健所を通じ、仕事場となったテレビ局などに調査を依頼し、狭い空間で接触した人を特定する作業に入っている。ハリセンボンは人気者だけに、数多くのテレビ番組、劇場やライブ会場に出演。3月にはCM発表会に出席し、沖縄国際映画祭に応援ゲストとして登場。大阪、地方への移動に飛行機や新幹線を利用した。接触者は共演者やスタッフ、観覧したファンなどかなりの人数に上る。

 都は吉本から昨年12月から今年4月1日までのはるかの出演スケジュールの提出を受けており、劇場や会場、スタジオなど部屋の狭さ、密閉度の度合いで健康診断の有無を判断する。必要と判断した場合は本人に連絡するが「会社員の方に比べれば、健康診断を受けていただく人数はかなり多くなると思います」。

 ハリセンボンのステージ数は1カ月平均で15本程度。座席数458のルミネtheよしもとでの出番が多く、単純計算でこの4カ月で延べ2万7000人が見たことになる。また、この4カ月のレギュラー番組はテレビ7本、ラジオ1本、ウェブ1本で共演者、スタッフの延べ人数は数千人になる。都が設置した電話相談窓口には午後4時の受け付け開始から午後8時までに「劇場で見たが、問題ないか」「ロケ先で写真を撮ってもらった。大丈夫か」など約150件の問い合わせがあった。現時点で吉本のタレントやスタッフに体調の悪い人は出ていないが、自発的に受ける動きが広がりそうだ。

 [2009年4月7日7時0分

 紙面から]ソーシャルブックマーク