歌手加山雄三(74)と4人組ロックバンドTUBEが、東日本大震災復興支援ライブ「~湘南からエールを~」を神奈川・湘南の海岸で開催することが20日、発表された。加山とTUBE前田亘輝(46)がこの日、都内で会見。8月27日に藤沢市の鵠沼海岸に特設ステージを造り、湘南に縁のあるアーティストたちを集めると説明した。

 海を愛するアーティストらが、津波被害の大きかった東日本大震災のチャリティーライブを、あえて海岸で行うことにした。加山は、テレビ番組で、船を津波で流された被災地の漁師がつぶやいた一言に、感銘を受けたと明かした。「海が悪いわけじゃねぇんだよ。今まで、俺たちは海から幸せもらってたんだよ、と言っていた。その言葉に涙しちゃってね」。島国の日本は、今後も海と付き合いながら生活していく。復興支援をしながら、かつ放射性物質による風評被害で、例年より観光客が

 少ない現状を打破できると、あえて海岸ライブを思い立った。

 加山が主催し、6月19日に大阪城ホールで行われたチャリティーライブに、TUBEがゲスト出演。その際、加山と前田で「オレたちで、地元湘南でやろう」と意気投合した。湘南地区の鎌倉、逗子、茅ケ崎、藤沢の4市の協力も得て、昨年初めて、TUBEが海岸ライブを開催した鵠沼海岸が会場に決まった。早くも、逗子市在住のキマグレン、藤沢市在住のつるの剛士、メンバー2人が藤沢市出身のRIP

 SLYMEの参加も内定。前田は「この新聞記事を読んで、私も参加したいというアーティストがいらっしゃったら、湘南に縁がなくても大歓迎。一緒に歌おう」と呼び掛けた。

 また、被災地から避難して神奈川県内の学校に転校した118人の高校生の中から約40人に「皆さんのご支援で学校生活を送れているので、恩返しと元気ですと伝える意味で、ライブのスタッフとして参加させてください」と直訴された。加山は「被災した若者たちと手を取り合う意義は大きい。俺も老いたなんて言ってられない。全力でやるよ」と、力強く拳を握った。