【ジャカルタ25日(日本時間25日)=瀬津真也】AKB48が、インドネシアの首都ジャカルタに初上陸した。日本のサブカルチャーの祭典「ジャパン・ポップカルチャー・フェスティバル」で特別ライブを開催した。ほかにも同国の国民的人気の音楽番組の生出演や、在インドネシア日本大使館のレセプションに招待されるなど、引っ張りだこの人気ぶりだった。

 ライブ会場が、確かに揺れた。「ムマンチ~ン!

 ムマンチ~ン(魚釣り)」。指原莉乃(19)が、インドネシア語会話集から「言いやすそう」との理由で連呼してみた、たどたどしい単語ギャグでも、爆笑と大歓声がわき起こる。「ヘビーローテーション」は一緒に日本語で歌い、「会いたかった」では、メンバーとともに一斉に跳びはねた。会場のカベが震えた。高橋みなみ(20)が「過去最大級に盛り上がった海外公演。本当に来て良かった」と感激で涙ぐんだ。

 超VIP待遇だった。前日24日夕方に空港に到着すると、SP数十人に護衛された。車移動では白バイが先導した。夜に日本大使館で開催された震災追悼・復興レセプションにも特別ゲストで招待された。インドネシアの観光創造経財相、工業相、教育文化相ら居並ぶ政治家の前で「インドネシアからの心温まる支援に感謝します」(宮沢佐江=21)、「日本は元気を取り戻しつつあります」(指原)と、あいさつした。

 一夜明けたこの日も引っ張りだこだった。メンバー16人は、早朝から取材会班と、テレビの歌番組出演班に分かれ精力的に動いた。指原、高橋、川栄李奈(17)は、妹分で地元の48グループJKT48と人気音楽番組「ダフシャット」に生出演。野外で「会いたかった」を歌うと、防護柵が倒れんばかりにファンが詰め寄った。指原が「サカスッカカリアン!!(みんな大好き!!)」とウインクすると、気温35度の炎天下でもへっちゃらなファンたちは「Sashii~!!」と絶叫のような声援を返していた。本家初上陸に対する熱狂ぶりは猛暑よりも熱かった。

 前田敦子、大島優子が不在の中、指原は「完全にジャカルタのノリが分かった!

 長旅はつらいはずなのに、バリバリ元気になっちゃった」と、誇らしげにセンターを務めきった。

 海外初の48グループが誕生した国に初上陸した意義は大きい。JKT48関係者は「我々の人気上昇にも追い風です。今やAKB48の東南アジアでの影響力は計り知れない」。アジアを席巻するK-POPと競い合うためにも、AKB48はJ-POPの旗手として、飛び回り続ける。