【ソウル4日=瀬津真也】韓国のヒップホップグループBIGBANGが、世界ツアー「BIGBANG

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 TOUR2012」の皮切りとなる韓国公演を大成功させた。公演は2日からソウル五輪公園体操競技場で開幕。最終日となったこの日も、世界レベルのパフォーマンスでファンを熱狂させた。アジアアーティストとして史上最大規模となる世界ツアーは、5~6月の来日公演をはじめ、世界16カ国25都市を駆け抜ける。

 まずは、母国で新生BIGBANGの実力を見せつけた。大規模な世界ツアーに打って出るBIGBANGは、K-POPには珍しいバンド生演奏のステージに挑戦。アリーナ席も全て立ち見という熱気に包まれた会場に、迫力を増した自分たちをアピールした。公演はこの日まで3日連続で開催し、計約4万人を動員した。昨年5月以来の単独公演に、メンバーのV.I(21)は「僕らの寒い冬が終わり、ついに春が来ました」と感無量の表情で呼びかけた。SOL(23)は「ツアーを通じ、僕らの音楽と韓国の文化を世界に届けてきます」と宣言。ファンは大歓声を上げて、熱い思いに応えていた。韓日、全米、欧州と世界16カ国を回る世界ツアーに向け、最高の幕開けとなった。

 昨年11月、北アイルランドで開催したMTV欧州ミュージックアワードで「ワールドワイド・アクト賞」をアジア人として初受賞した。SOLは「自分たちのターニングポイント。昨年はいろいろあったけど、世界に評価されたことで、今後も5人でやっていこうと決意した。アルバム制作とツアー準備を早くしようとなった」と明かした。

 先月末には、経済誌「フォーブス韓国版」の韓国トップセレブ40で、少女時代に次ぐ2位で紹介された。女子フィギュアスケートのキム・ヨナ(5位)やサッカーのパク・チソン(7位)ら超一流アスリートを押しのけ、母国の男性著名人でNO・1の座に就いた。世界に飛び出す態勢は整っていた。

 スタッフも最強だ。ライブ演出は、レディー・ガガの世界ツアーを指揮したローリー・アン・ギブソン総監督。ステージの制作会社は、マドンナやU2を手掛ける「ライブ・ネイション」と、米国の超一流どころがそろった。G-DRAGON(23)は「米国人と作り上げた物語仕立てのミュージカルや映画のようなショー。とにかく学び続ける点が多い」と、過去最高のクオリティーを自負する。

 5、6月の日本公演を経て世界に飛び出す。SOLは「個人的にはブラジルが楽しみ。ツアーの成否が僕らの未来を左右するけど、自信はあるよ」。アジアのトップランナーが、世界の重い扉をこじ開ける。

 ◆MTV欧州ミュージックアワード

 世界規模の音楽専門ケーブルテレビ局MTV主催の欧州最大級の音楽賞。レディー・ガガが最優秀女性アーティスト賞、最優秀楽曲賞、最優秀ビデオ賞、NO・1ファン賞の4部門制覇。BIGBANGは、今回新設された世界のMTV視聴者の投票により決まるワールドワイド・アクト賞に選ばれた。