AKB48が、6年半前のデビュー時からの最大目標だった東京ドーム公演を、年内に実現することが23日、分かった。この日、「AKB48コンサート

 業務連絡。頼んだぞ、片山部長!

 in

 さいたまスーパーアリーナ」公演初日が同アリーナで行われ、ファンに向けて発表された。原点は東京・秋葉原の薄暗く天井の低い小劇場。そこから、本物のスターだけが立てる大舞台にあこがれて踊り続けてきた少女たちの夢が、ついに、ついにかなう。

 スクリーンに流れる映像で、AKB48のリーダー高橋みなみ(20)が、デビューから現在までの道のりを振り返った。「最初はAKBに入りましたってことも、(誰も知らないわけだから、恥ずかしくて)言えなかったですね…」。

 秋葉原のAKB48劇場から、高橋が目指したのは、すぐそばにありながら、遠かった聖地だった。「夢の場所までの距離は、1830メートル」。右ほおを涙でぬらしながら、BIG

 EGGの文字を見つめると「東京ドーム公演決定」と表示された。夢がかなうと分かった2万5000人の観客から、大歓声が上がった。

 AKB48にとって、東京ドームは最終目標だった。05年12月8日のデビュー前、同年7月にプロジェクトを立ち上げたときから、公式ブログのタイトルを「TOKYO

 DOMEまでの軌跡」と名付けた。「いつか必ず実現させてみせる」という、秋元康総合プロデューサー(55)の静かな決意だった。

 長い道のりだった。東京ドームを夢見て、秋葉原の小劇場でデビューしたのは、約6年半前。当時14歳だった高橋や前田敦子は、今や20歳。これだけの時間がかかったのは秋元氏の信念ゆえだ。四半世紀前に育てたおニャン子クラブのブームが、わずか2年半で終わったからだった。

 「今度こそ一過性では終わらせない国民的グループを作る」。AKB48がブレークしたのは、大島優子(23)が1位に輝いた、約2年前のAKB48選抜総選挙だった。続けざまにじゃんけん選抜大会、AKB48紅白対抗歌合戦…。さまざまな仕掛けで、話題を出し続けて、日本の芸能界で不動の地位を築いてきた。

 昨年でも十分に東京ドーム公演がやれるファン数を獲得していたが、やるからには、1度きりの打ち上げ花火では終わらせたくはない。ドーム公演を毎年の恒例行事にしなくては、意味がない。2年間で7作のシングルミリオン、東京ドームより少し集客数の少ない西武ドーム3日間公演の成功と、確固たる実績を作った上で、秋元氏はようやくゴーサインを出した。

 この日の正式発表はなかったが、日刊スポーツがイベンター関係者などを独自取材したところ、夏休みに東京ドームを数日間、押さえていることが分かった。柏木由紀(20)は「コンサートの最初に発表ごとがあるなんて初めてだし、内容にびっくりして、鳥肌立っちゃった」と感激した。AKB48史上、最も熱い夏がやってくる。【瀬津真也】