個人事務所「幸子プロモーション」の関根良江前社長らの解任をめぐる騒動について演歌歌手小林幸子(58)が27日、都内で会見した。騒動発覚後、会見したのは初めて。前社長らに謝罪した上で、騒動の原因と伝えられる夫の事務所経営介入の事実はないと強調。「反省しているけど後悔はしていない」と微妙な言い回しで現在の心境を明かした。前社長側もこの日、代理人による会見を予定していたが、後日あらためて行うことになった。

 小林は冒頭で「関根社長と専務に一番おわびがしたいと思っていました。私の配慮が足りなかったことによってつらい思いをさせた。本当に申し訳ないという気持ちです」と謝罪した。

 騒動発覚は今年4月。約3カ月も沈黙していたことに「芸能界の方から話さない方がいい」と言われたことが理由と明かした。その間、前社長に電話や人を介して謝罪を申し出たが、出てもらえなかった。留守電には「25年間、ありがとうございました」などメッセージを残したという。

 前社長と前専務と決別した理由について「私はなにしろ新しいことをやりたがる。(前社長らは)小林幸子を作りあげ、守る立場なので、自分の結婚前から少しずつ考え方にズレが生まれた。ボタンの掛け違いから、話し合う機会が少なくなっていった」。昨年11月に結婚した8歳年下の医療関係会社社長の林明男氏の事務所経営への介入が、2人の解任につながったとされるが、これをあたらめて否定した。林氏は「自分のことで申し訳ない」という思いを持っているという。また騒動で眠れなくなった際、夫に相談して睡眠導入剤を飲むようになったとも明かした。

 先日15日に前社長に4000万円、専務取締役に2000万円を支払うことで合意した。前社長側の代理人と小林本人が何度も会って協議したという。小林は「(前社長側は)怒り心頭で(完全な和解には)時間のかかることですが、誠意として、迷惑を掛けた気持ちの金額としてお話をさせていただいた」と説明。「解決金」の認識を示した。

 また心情的に和解しても“復縁”はないとしたが、「いつか何らかの形で一緒に仕事ができたら」と話した。騒動で新曲発売が延期となり、34回連続のNHK紅白歌合戦出場も危ぶむ声が出ている。「NHKさんが決めることですが、出たい。新曲も歌いたい」。

 「後悔しているか」の質問には少し考え、「反省はしているけど、後悔はしていません」。2人と決裂したが、歌手小林幸子としての生きざまに後悔はない、そんなきっぱりとした口調だった。