テレビ朝日が快挙を達成した。2012年の年間視聴率(1月2日~12月30日、ビデオリサーチ調べ)が2日、明らかになり、同局が、1959年(昭34)の開局以来初のプライムタイム(午後7~11時)トップの座を獲得した。全日(午前6時~深夜0時)ゴールデン(午後7~10時)では日本テレビが昨年に続いてトップを死守した。10年まで7年連続3冠だったフジテレビは、全時間帯で3位と苦しい結果となった。

 テレビ朝日が、開局以来の悲願を達成した。昨年まですべてのカテゴリーで3位だったが、プライムタイムでトップ。12・5%で王者、日テレの12・2%に0・3ポイント差をつけた。ゴールデンでも日テレに0・1ポイントの僅差で開局以来初の2位。全日も41年ぶり4回目の2位を獲得した。

 同局は昨年、地上波独占放送権を持つサッカーW杯ブラジル大会アジア最終予選が30%台を連発したほか、フィギュアスケート、プロ野球日本シリーズなど大型スポーツ番組が、軒並み好数字を記録。ドラマでも10月期の「ドクターX

 外科医・大門未知子」が民放ドラマ年間1位となる平均19・1%をマークするなど「相棒」に続くヒット作が誕生した。レギュラー番組でも「お試しかっ!」をはじめとするバラエティー「報道ステーション」「スーパーJチャンネル」などの報道番組が好調を維持し快挙を引き寄せた。

 同局は73年から03年まで視聴率4位が指定席で“万年4位”とやゆされたこともあったが、01年にアジアサッカー連盟主催試合の独占放送権を獲得したころから風向きが変わってきた。「サッカー代表戦はテレ朝」の意識が定着。強力コンテンツに引っ張られ全体的な底上げに成功したほか、11年7月の完全地デジ化でチャンネルが10から5に変わり、番組表が中央付近に移動したことも追い風という見方もある。同局は「多くの視聴者の皆さまにご支持いただいたおかげと、心より御礼申し上げます。昨年1年間チャレンジャーとして貫いた姿勢を崩すことなく、今後も真面目に、思い切って取り組んでまいります」とコメントを発表した。

 一方、日テレは昨年8年ぶりに年間視聴率3冠を奪取したが、テレ朝躍進の影響を受け、全日、ゴールデンの2冠にとどまった。10年まで7年連続で3冠を維持したフジはドラマは好調だったが、ゴールデンタイムのバラエティーで苦戦が続き、いずれの時間帯も日テレ、テレ朝ともに水をあけられた3位に甘んじた。日テレ、フジの2強時代は終わり、テレ朝も3冠を狙える状況になっている。