俳優高橋克典(48)が17年ぶりにフジテレビ看板ドラマ枠「月9」に出演することが16日、分かった。山下智久(28)主演の連続ドラマ「SUMMER

 NUDE」(月曜午後9時、7月8日スタート)で、海辺でカフェ&バーを営み、若者たちを見守るマスターを演じる。90年代は恋愛ドラマ、00年代は強烈なキャラクターを演じて人気を獲得してきた経験を凝縮させ、味わい深い役どころで新境地を切り開く。

 「月9」出演は、ヒロインのいとこを演じた96年「ピュア」以来となる。ブランクの理由について「『サラリーマン金太郎』などをやって、恋愛路線から離れたからね」と分析する。

 その言葉通り「サラリーマン金太郎」「特命係長・只野仁」とコミック原作の主人公を熱演。読者のイメージも強い個性的なキャラクターだったが、見事に演じきり、高視聴率を記録した。「只野仁」は03年から約10年間演じ続けた当たり役となった。

 今回は一転、個性を前面に押し出さず、周囲を見守る役柄を演じる。山下と香里奈(29)戸田恵梨香(24)が演じる三角関係を展開する若者たちが頼りにする兄貴分的な存在。高橋は「立場が変わり、若者たちの恋愛を見守る役柄になった。そういう役をやりたいと思っていたんです」。物語に欠かせない役回りとなる。村瀬健プロデューサーは「おとこ気と兄貴感を持ち、ちゃめっ気とユーモアに富み、その上、海が似合うダンディーな男性は高橋さん以外に考えられなかった」という。

 山下とは初共演だが、指導を受けているボクシングトレーナーが一緒だった。ロンドン五輪を目指した南海キャンディーズしずちゃん(34)も指導する梅津正彦さん。山下は映画「あしたのジョー」の役作りで指導を受けた。高橋は、皮膚がん闘病中の梅津トレーナーに「2人で写真を撮り、激励のメールを送った」という。今回の作品で元気を届けるつもりという。

 今年、芸能生活20周年を迎えた。3月に行った記念イベントで「役の幅を広げて挑戦していきたい」と話していた。今回もその一環という。「只野」で「夜」のイメージも強いが、「俳優ですから、さわやかさなど、いろんな面を出していきたい」と話した。

 ◆高橋克典(たかはし・かつのり)1964年(昭39)12月15日、横浜市生まれ。93年シングル「抱きしめたい」で歌手デビュー。俳優業に進出し、99年TBS系ドラマ「サラリーマン金太郎」に主演。シリーズは04年まで放送され99年に映画化。03年からテレビ朝日系「特命係長・只野仁」シリーズに主演、08年に映画化。ドラマは「官僚たちの夏」「同窓会~ラブ・アゲイン症候群」「匿名探偵」「夜行観覧車」など。映画は12年「アウトレイジ・ビヨンド」(北野武監督)など。

 ◆「SUMMER

 NUDE」

 海辺の写真館で働く朝日(山下智久)は自分のもとを去った恋人への思いを断ち切れずにいた。朝日は夏希(香里奈)が結婚式で新郎に逃げられる瞬間を偶然写真に収め、その後、夏希は朝日やその後輩の波奈江(戸田恵梨香)が暮らす町で海の家を切り盛りすることに。海辺では賢二(高橋克典)がカフェ&バー「港区」でマスターを務めていた。