坂東三津五郎(57)中村勘九郎(31)中村七之助(30)らが28日、東京・銀座の歌舞伎座屋上庭園で、「八月納涼歌舞伎」(8月2~24日)のPRイベントを行った。23年前、昨年12月に亡くなった中村勘三郎さんを中心に始めた興行で、歌舞伎座が建て替えで閉場していた3年間は行われなかった。三津五郎は「4年ぶりに納涼歌舞伎が帰って来ました。彼(勘三郎さん)の分まで頑張りたい」と意気込んだ。

 第1部の「春興鏡獅子」は勘三郎さんが得意にしていた舞踊だ。出演する勘九郎は「父が新しい歌舞伎座で踊りたかったであろう演目。遺志と魂を引き継ぎたい」と決意を口にした。七之助は「父も喜んでいると思うし、出られない悔しさでいっぱいだと思う」と話した。

 5月に生まれた勘九郎の次男哲之(のりゆき)くんに話が及ぶと、中村福助は「勘三郎のお兄さん(の本名)が哲明だから『のり』って言いにくい。『ゆき』って呼ぼうかと真剣に話してる」と笑わせた。

 「-鏡獅子」のほか、「梅雨小袖昔八丈

 髪結新三」「狐狸狐狸ばなし」など勘三郎さんにゆかりのある演目が並んだ。この日は中村扇雀、中村橋之助、坂東弥十郎も出席した。【小林千穂】