11年ぶりの来日公演を行う英歌手ポール・マッカートニー(71)が9日夜、英ロンドン発のチャーター機で関西国際空港に到着した。同伴したナンシー夫人(53)と2人そろって法被姿で到着ロビーに登場。66年のビートルズ初来日時をほうふつとさせる47年ぶりの法被姿という大サービスで、集まったファン約1000人を大喜びさせた。
普段は旅行者でごった返す空港ロビーが、甲高い大歓声に包まれた。ポール夫妻が乗ったチャーター機が到着したのは9日午後6時。40分後、到着ゲートに姿を現した。
ファンの視線をくぎ付けにしたのは、2人が羽織っていた法被だった。襟もとに筆記体でポールの名前が記され、新アルバム「NEW」のジャケットに使われたロゴを全体にあしらったデザインが印象的だった。
関係者によると、日英スタッフが、集まったファンへのサプライズを考えたところ、浮上したのが「法被プラン」だった。66年にビートルズが初来日した際、タラップを下りるメンバーの法被姿は今も語り継がれている。スタッフの提案にポールも快諾。日本側スタッフが用意した法被をさっと羽織って姿を現した。ポールはすぐにファンの視線に気付いたのか、笑顔で襟もとを引っ張って法被をアピールしてみせた。
来日はビートルズ時代を含めると5度目。絶大で不変の人気を示すように、ロビーには幅広い年齢層のファンが集まった。60代前後のファンはもちろん、親子連れ、制服姿の男女中高生も駆け付け、歓声を上げながら携帯で激写していた。来日ツアーのポスターやポールとナンシー夫人の名前が入ったちょうちん、ビートルズのレコードなど、ファンは思い思いにお気に入りグッズを持参。11年ぶりに来日した大スターに思いの丈をアピールした。
到着ゲートから出口までわずかな距離だったが、ポールはファンサービスに努めた。日本の拘置所で覚えたと周囲に明かしているお気に入りの日本語「オッス!」を連発。ベースギターを弾くしぐさや、投げキス、ガッツポーズ、ナンシー夫人とつないだ手を高々と上げたりと、何度もポーズを変えファンを喜ばせた。幼い子供にはしゃがんで握手。ハイタッチや握手も交わすなど、ご機嫌の様子だった。
来日ツアーは11日の京セラドーム大阪からスタート。福岡、東京と合わせ計6公演を行う。【近藤由美子】<ポールの来日>
▽66年6月
ビートルズとして初来日。ロックバンドとして史上初の日本武道館公演を行った。
▽80年1月
ウイングスの世界ツアーで来日も、成田空港で大麻所持の現行犯逮捕。拘置所へ。
▽90年3月
ソロ世界ツアーの一環で来日。東京ドームで6公演。
▽93年11月
世界ツアーで来日。東京ドーム3公演、福岡ドーム(現・ヤフオク!ドーム)2公演。
▽02年
3度目のソロ公演で来日。東京ドームで3公演、大阪ドーム(現・京セラドーム大阪)で2公演。